2005/06/03 (金)
後悔!
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昨日、ある小学校の歯科検診をしました。私は歯並びの検診です。虫歯や歯周炎などのない健康的な男女児童1名ずつを歯科医師会の歯の健康優良児として選出しました。
その際、多数の中から女の子4名がまず選出されました。その後、その中から1名だけを歯並びも含めて指名することになっていました。その4名の中に虫歯もなく歯周炎もないのですが、前歯に矮小歯といって普通の大きさより小さく尖った歯をもった女の子がいました。今から思うと、ただ見かけが悪いということだけで、簡単に、その女の子を除外してしまいました。部屋から立ち去るときに“歯磨きをがんばってね“と声をかけたのですが、その子は微笑みながら”いや“と言って走り去りました。そのときは何の疑問も持たなかったのですが、養護の先生から彼女は今まで、母親から暴力を受け続け、現在、母親から離れて祖母に育ててもらっている子で他のことで表彰されることもなく、何事にも自信もなく過ごしてきたそうだと聞かされました。残りの女の子は成績も優秀で、何かと表彰をうえける機会も多く、家庭的にも恵まれているということでした。子供たちの環境を知る由もないのですが、彼女の気持ちを考えずに行動したことに本当に後悔しました。教育という面から考えると歯並びの評価など、ほんのちっぽけなことなのですが。すぐに養護の先生に1名に選ばれなかった残り3名の生徒には、別の表彰状を渡してもらえないかと頼んだところ、快く、校長から手渡してもらうことが決まりました。ちょっとホッとしましたが、いろいろな環境に置かれ、感受性の強い時期の子供たちを平等に教育していくことがいかに難しいかということをすこし垣間見ました。
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